逆流性食道炎2 原因と治療
原因
逆流性食道炎(胃食道逆流症 GERD)は、胃酸が食道へ逆流して食道粘膜が荒れる状態です。胃酸は強力な酸ですが、粘液を出して自己を防御している正常胃粘膜では炎症をおきません。しかし、食道にはそのような防御因子がありませんので、胃酸が少し上がると、強い胸焼けを感じるのです。
若い人よりも年配の人、痩せた人より肥満の人が多いのが特徴です。また最近はピロリ菌を除菌した後にも、ときに見られます。
加齢、肥満、ピロリ除菌がGERDの原因として考えられています。
- 食道蠕動の低下=加齢
- 食道下部括約筋のゆるみ=加齢、ピロリ菌除菌
- 食道裂孔のゆるみ=加齢、肥満
- 胃内圧の上昇=肥満
治療
逆流性食道炎の治療は生活改善と内科薬物治療です。食事を摂ってからすぐに横にならない、とくに夕食は消化のよいものを食べる、が重要です。かりにどうしても横になりたいときは、右下ではなく左下に横になりましょう。
内科療法としては、薬物療法が重要です。とくに強力な制酸剤を用いることで、胸やけの症状はあきらかに改善します。もちろん、胃食道逆流症があるときはピロリ菌の除菌はすべきではありません。
注意しなければならないのは、胃切除のあとの逆流です。この場合は逆流しているのは胃酸よりもアルカリ性の十二指腸液です。制酸剤では症状は改善せず、慢性膵炎のくすりを用います。