»ホームページ開設にあたり 2006. May

副院長の飯原啓介です。このサイト開設に当たり、ひとことご挨拶を。

地域の市立小学校へ入学してからですので、早いもので、この地に縁をもってから40年になります。その後も中学、高校、大学とずっと地元大阪の学校に通学し、さらには医師となった赴任先まですべて北摂地方でした。

「このお腹の創は院長に切ってもらった」「先生の小学生時分はこうだった」などとおっしゃるような、小、中学校時代の友人やご家族の患者様もたくさんいらっしゃいます。この町の移りかわりと共に、自分が成長してきたのだ、と最近になり痛感するようになりました。

»上部消化管(胃、食道、十二指腸)の経験について

大学を卒業して消化器外科を志し、消化管(食道、胃から大腸、肛門まで)を中心として、手術や内視鏡検査などの勉強をしてきました。大阪大学消化器外科教室での研修医4年および研究生活4年の間はおもに上部消化器疾患を専門としました。

医学博士のテーマは食道癌の増殖因子についてのもので、のちの近畿大学病院長塩崎均先生の指導を仰ぎました。最終的に英文雑誌(Cancer, American Journal of Pathology, International Journal of Cancer)に採用された3編の論文を評価して頂き、平成5年に博士号をいただきました。

»大腸肛門病の経験について

当院へ戻ってくるまでは、中核病院(市立豊中病院)で朝から夜まで大腸肛門疾患の診療に明けくれていました。外来こそ週に一度だけでしたが、大腸癌の手術は年間100例超、大腸内視鏡は年間800件超、と大腸肛門担当医長としてスタッフのみなさんともども、目の回るような毎日でした。しかし、右から左へベルトコンベアー式に「症例を重ね」、学会発表して「資格のための点数を稼ぐ」毎日に、疑問を感じるようになってきました。

大腸癌は消化器癌のなかでは、おとなしい癌です。早期に発見すれば、まず治ります。しかし、便に血が混じったり、便習慣に変化があっても、ついつい「痔にちがいない」などと、思いなやんだあげく、せっかくの早期発見の機会をうしなっていまうことが多いのが残念でなりません。

「肛門科に行くのはいやだ」「肛門の手術は痛そうだし、保険がきかないそうだ」などと考え、結果として重症化してから受診される方もたくさんいます。肛門疾患の多くは良性で、早く治療をすれば手術しなくても治るのにもったいないなぁ、と思います。

»臨床医としてのスタンス

癌細胞を培養し顕微鏡をのぞき込んで過ごした大学での研究生活も新鮮で、留学に心を動かされた時期もありました。しかし父の影響か、やはり医師は患者様のそばでいて価値がある、とずっと考えていました。

医師にとっての一番のご褒美は、患者さんとご家族の笑顔です。最終的にはそれまで勉強してきた(大腸肛門病をはじめとした)臨床経験を患者さんにすこしでも還元できれば、と思いいたりました。

患者様のお気持ちをふまえた診療を心がけるとともに、「義を見てせざるは勇なきなり」を座右の銘として、一日一日、一人一人の診療に臨んでいます。

それぞれの患者様の社会的、経済的な背景を考え、どのように診療をすすめていくか、を総合的に判断していくところに、かかりつけ医の醍醐味があります。この醍醐味を忘れず、いっぽうで外科医として積んできた経験をバランスよくいかす、これが自分の理想です。

»姉妹サイト 飯原医院.comについて

なお、本サイトの姉妹サイトとして「飯原医院.com/イラストでみる大腸肛門病」も公開しています。こちらは主として、私の専門である大腸肛門領域の疾患を豊富なイラストを使って解説したサイトです。一度ご参照下さい。

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