痔のなかでいちばん手術率が高い痔瘻について、説明します。
痔瘻(じろう)は男性に多い病気です。
»肛門周囲膿瘍
肛門周囲に膿がたまる病気を肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)といいます。
肛門腺から下痢などをきっかけに深部へ膿が溜まります。多くは切開手術が必要です。
肛門周囲がはれ、高い熱が出ます。深部にたまると肛門の奥に鈍い痛みがでるだけで、はれが表面からわかりにくいこともあります。
»痔瘻
診断と症状
肛門周囲膿瘍で切開を受けた後に、膿のトンネルができた病気です。
膿がでることで下着が汚れます。膿の出口がいったんふさがっても、肛門周囲膿瘍の症状が再発し、多くは自然に破れて膿が出つづけます。
痔瘻の治療
肛門病は手術を必要としないものも多いですが、痔瘻は手術以外ではまず、治りません。
痔瘻の手術のポイントは(右図)
- 原発口の処理
- 2次口のドレナージ
- 括約筋の温存処置
手術の方式としては(右図)
- a 切開開放術
- b 肛門括約筋温存術
- c シートン法
複雑痔瘻は再発の可能性があり、とくに骨盤直腸眼窩痔瘻は難治性で、長期間の入院を要することがあります。
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