開演の前

平成20年、2月3日。節分の大阪は寒くて天気がよくありません。朝方には、空からみぞれが降っていました。NHK大阪は大阪城から歩いて数分、南側にはむかしの難波の宮跡があります。最寄り駅は大阪市地下鉄谷町4丁目で、駅から上がればすぐのロケーションです。

中央にガラス張りのアトリウムをもち、ここより東側のNHK大阪、西側の大阪歴史博物館に入ります。当日は撮影セット(草若師匠邸と小浜和田家)の一般公開もされていました。こちらは朝の11時からの公開、わたしが到着したのは午後1時半でしたが、すでに長蛇の列です。

スタジオ見学をした後、今度は感謝祭の座席指定券を求めて、列に並びます。ほんとうは席は早い順ではないのですが、わかっていても並んでしまうのがやはり人情でしょうか。関西以外の言葉もここそこで耳にします。さて、席の交換をしてみると、なんと前から3番目の中央の席。おもわずいっしょに参加する次女と、力一杯のガッツポーズをとってしまいました。

3時に開場、3時15分くらいに席に着きます。まわりに坐っている人たちも、みんな笑顔。「うわぁ、こんな前でええんやろか」「今年の運、使い果たしたか」「唾とんでくるかも」などの声が飛び交っていました。

ホールのBGMにはちりとてちん劇中歌だけでなく、「聞かせてよ愛の言葉を」「つばさをください」も一緒に流れています。いやが上にも、雰囲気を盛り上げてくれます。

舞台の上は、ちょうど天狗座を模した形(1)、舞台後方におおきな蜩紋のついた衝立。その上に「笑う門には福来たる」の額(3)。さらにその上にスクリーン(2)があります。スクリーンには徒然亭の紋、そこに「たばこはあかんで」「写真や録音もあかん」「携帯電話はオフにしてや」と注意がテロップとなり流れています。

舞台下座には落語会をおもわせるめくり(4)。うっすらとトークショーと読めます。ひょっとしたら、吉弥の落語がきけるかも?さらにその横に草若師匠の稽古部屋にあったような籐の椅子が5脚(5)並べられています。ここにきっと、弟子たちが坐るのでしょう。

定刻3時半、舞台下手よりBK西堀裕美アナが登場、「ようこそのお運びで、厚く御礼もうしあげます」ときました。ついで、一回「かんだ」後に、本日の司会進行をつとめる遠藤理史Pを上手より呼び出します。遠藤P、長身の威丈夫ながら、ニコニコと人の良さそうな印象、なるほど、こんな人があのドラマを作っているの

遠藤P、開口一番「みなさん、いつもちりとちてん?を」と、かんでしまう。「すみません、ドラマのタイトル決めたの、私なんですが。」と笑わせてくれます。「こんなイベントはじめてなので」と、傍目にも緊張している様子で。ついでに、これをうけた西堀アナももう一回、はげしくかんでしまい、「これはおかしいぞ」。かみかみ草原兄さんでこちら側も敏感になっているので、客席のあちこちから「かんでる、かんでる」という声が。いきなり和やかな雰囲気です。

まずは「ちりとてちんはどの時間帯でみてますか」と質問。各時間帯で挙手するのですが、もちろん何回も手を挙げている人、ずっと手を挙げている人もいます。やはり朝の本放送が一番多いようでしたが、やっぱり視聴率は作り手からすると気になるのでしょう。

ついで、「DVD完全版がほしい、という声もよく寄せられるのですが」と遠藤P、すかさず客席から大きな拍手!拍手!「ただ、DVD制作はよそのセクションなので、みなさんのお力が必要です」となりまして。以下、段取り。

ビデオカメラが客席に向けられ、遠藤Pが「ちりとてちん完全版DVDを作ってください」と一言、ついでわたしたち聴衆が、いっせいに「おねがいー」と叫ぶ。けっこうの大音声となりましたので、完全版DVD期待できるかも知れません。

遠藤P「さて、いつまでも私が話していたら怒られますので、そろそろ徒然亭の皆さんに登場願いましょう」西堀アナ「それではちりとてちんファン感謝祭はじまり、はじまり」。

舞台の上方、スクリーンにお馴染みの「ちりとてちんオープニング」の映像、もちろんBGMに主題歌が流れ始めまして。