徒然亭一門の紹介

ちりとてちん主題歌の流れる中、上手より出演者が呼び出されます。兄弟子から順々に。劇中の落語家の扮装で、和服に身を包んであらわれました。

まずは徒然亭草原こと桂吉弥さん。如何にも落語家が高座に上がる、といった風情で、紺の着物、紺の羽織が板に付いております(彼だけは仕事着ですから)。両手をすこしかざしながら、舞台の上手、右袖からスタスタ、と登場。よくよくと考えてみれば、落語の高座はだいたい下手から上がるのがふつうかも?

おおーぅという歓声。拍手喝采。「これこれ、かむのは私の専売特許でっせ」と、さっそく司会の二人につっこみます。やんちゃ坊主がそのまま落語家になったような風です。

ついで、2番弟子、徒然亭草々こと青木崇高さん。180余センチの背丈がさらに大きく見える、目をキラキラさせて、いかにも若々しい男前です。灰色の縞模様の着物、黒の羽織にはヒグラシ紋がついてます。さきほどの草原の声援よりも、やや女性の声が多いような気がします。

両手を高々と上げて入場、舞台中央まできて正面を向き、その両手をまっすぐに顔の前に突き出すポーズ、あとで聞けば彼が出演した公開中の映画「銀色のシーズン」での彼のポーズ(テレビのCMでも見られるもの)でした。

あとで「なんじゃ、ありゃ。底抜けをパクったんかい!」とつっこまれてましたが、「あっちのほうが撮影が先ですよ」と。「楽しい映画ですので、また観てやって下さい」とさりげなく宣伝を(吉弥さんが?)。

つづくは3番弟子、徒然亭小草若こと茂山さん。長身痩躯、スマート、桃色の羽織が美しく映える、ほんとうに底抜け色男がとおる!さきほどの草々とはまた別の、若い女性の声が中心です。あちこちから、小草若あるいは底抜けあるいはモッピーと黄色い歓声が。

こちらはスタスタと舞台の前に足をはこび、お約束の底抜けのポーズをいきなり披露してくれました。とても狂言という伝統芸能の後継者らしくは見えない?(ほめ言葉のつもり)。さらにワーッと大歓声。

さらには徒然亭四草こと加藤虎ノ介さん。こちらは何を思ったのか、右手を高々と突き上げて、なにか叫びながら、やたらと勇ましく、ちょうどプロレスラーの入場を思って頂ければ。あれあれ?

またまた歓声が高まり、女性の悲鳴さえ聞こえたような。ただ、舞台中央で兄弟子たちに「なにやってんねん」「それ、おまえのキャラとちゃうやろ」とつっこみを入れられて、スタジオパークでも見せたような照れ笑いというか、母性本能をくすぐるような、へたれ笑顔を見せてました。ドラマ上の「算段の平兵衛」を彷彿とさせる、クールな性格とまったく正反対ですね。

兄弟子が4人、舞台中央に呼び入れられて横並び、遠藤Pが「さあ、それでは我らのドラマのヒロイン、徒然亭若狭こと、貫地谷しほりさん」と。兄弟子4人たちが大きな拍手で迎える中を、きれいな桜色?の和服に身を包んだ貫地谷さんが登場。すり足の早足で舞台中央へ、さっと両手を左右に広げて会釈というか、横向きのお辞儀というか、テレビで見るよりも若くてかわいくて上品で綺麗!いかにも女優さん、という感じです。大きな歓声、拍手、拍手、拍手。あっという間にホールのボルテージは最高潮です。

会場は熱気でむんむん、皆の顔もニコニコで自然発生的に、あちこちで役名を呼ぶ声が聞こえます。呼応して、舞台の上の徒然亭一門の面々も、満面の笑み。目を輝かせて興奮してるように?見えました。落語や狂言の舞台で、このような声援を浴びる機会はまずないでしょう。いや、俳優である草々、喜代美でも映画の舞台挨拶に立つことはあっても、2時間にわたってファンと接する機会はあまりないんじゃないでしょうか?。

「いやいや、とうとう今日がやってきましたなぇ」「ほんまにやってきましたなぁ」で、トークショーのはじまり。もっぱら、最初は草原兄さんが中心で、会話がすすんでいきます。後で考えてみたら、落語家桂吉弥がいなければ、これだけの時間をつかって、これだけの人数を相手することはできなかったのでは、と思いました。

「まあ、いつまでも立ち話も何ですから坐りましょう」というぐあいで、弟子たちが籐の椅子に腰を下ろしまして。