トークショーその1

拍手歓声が一段落、徒然亭一門が椅子に座ります。舞台下手より、西堀アナ、遠藤P 少し離れて下手から上手に向けて四草、草原、若狭、草々、小草若とならびます。

まずは朝ドラに出てみて、の感想。

草原「NHKで上方落語の宣伝をしてもらってるようで、どこの地方へ行っても寄席の雰囲気が熱いのがうれしいですね」と、彼らしい、落語家からみた感想。「町を歩いていても、『草原兄さん』とわたしよりも年配の人から声をかけられる」ついで「この前も色紙がないので、病院の薬袋にサインを、といわれました。しかたないので、お大事にしてください、とサインをした」と。すかさず、まわりから「それはネタやろ」。

草原さんは実年齢もいちばん上なんでしょうが、この後も話題をたくみにふりながら、準司会といった役どころ。立ったり座ったり、あっちむいたり、こっちむいたり、と忙しい。

「青木さんはどうですか?」「あ、はい」やってる、やってる。草々は「町を歩いてても、草々と呼ばれることが多い。」ので「青木草々に芸名を変えたろか、思います」。朴訥と、丁寧に答えようとする。いかにも不器用そうな、これもスタジオパークの収録でみられたとおりです。

小草若は「みなさんと同じで、町を歩いていて声をかけられることが増えました。それも、みなと違うのは茂山さんとか、小草若と呼ばれるのではなくて」、そこで間髪を入れず、会場から「底抜けぇー」で大爆笑。「そのとおりで、いやいや、誰やおれのギャグ盗るのは!」絶好のタイミングでした。

上から順で、つぎは四草。司会の遠藤Pから、「町でよく声をかけられるでしょう?」「いえ、ぼくは全然ですね」あれっという感じだったのですが、兄弟子たちから「そら、歩くの速すぎるからや」「だれも声かけられへんで」「鳥の巣あたま、ホワホワさせながら」と。

この後も四草はみんなに弄られまくり。「ちりとてちんの四様という話」をうけて、若狭からも「わたし、ヨン様のファンなんですよ、これでよんさま??」と。「がんばって喋らんと」「スタジオパーク、こんどは一人ででるんやろ」「今度は小草若なしやで。」と、次々と。とうとう、「頑張ってますよ」「もう助けて」「俺はただの30過ぎのオッサンや!」とヘナヘナとなっておりました(爆笑)。若狭は「やはり朝ドラは親戚の反響も多い」と、優等生の返答でした。

上方落語についての話も。

草原「じぶんは当たり前ですが。若狭をはじめ、みんな落語をよく勉強してます。休憩時間にも、草々、小草若、四草たちがよく質問しに来ます」と感心しています。「みんな私の落語会へ聞きに来て、高座を袖からみたりしてます。」先日も小浜の落語会へ弟弟子が大挙、応援に行ったとか。かの地はたいへんな盛り上がりだそうです。

草々は落語を評して、「たいへんなモノに出会った、という感じです。今は朝から晩まで、演技というより落語のことを考えています。伝統と歴史を意識しています。たぶんこの役を終わってから、しばらく時間がたたないと、冷静に考えられない。それほどこの役にも入れ込んでいます。」不器用なやつほど、よう稽古する、よう稽古するものが、一番うまなる。ちりとてちん劇中で、草若師匠が若狭にいう科白、じつは青木君の座右の銘となっているらしいです。なるほど。

小草若は「伝統の継承、という意味では自分に通じるところがある。家の子は大変で。」「草原兄さんは手加減なしに落語をするので、みなでへこんでます。中途半端にやるのはやはり失礼なので、噺は通して覚えて練習してから、撮影にのぞみます。ただ、監督にもっと下手くそに聞こえるように、といわれて取り直したこともありますよ。」ここらはスタジオパークで話したとおり。

四草も小浜落語会へ参加する予定だったそうですが、大遅刻したそうです。なんでも、仕事でひとり遅れていくことになり、さらに悪いことに、ガラガラの路線バスが山道で故障して停車。大変だったそうな。若狭は「わたしひとり、落語会に誘ってもらってません。」「そら、しほりちゃんは忙しいから」「また、誘てくださいね。」とさ。(つづく)