慢性胃炎2 原因と治療

原因

慢性胃炎の原因

慢性など胃の良性疾患は攻撃因子、防御因子のバランスが崩れることで発症します。慢性胃炎では、攻撃因子がくり返し胃の粘膜に障害をおこすことで、慢性的に炎症をおこしています。

攻撃因子がつよくなる原因には、不規則な生活、アルコールや刺激物などの多量摂取、薬の副作用、ストレス、タバコなどがあげられます。胃粘膜の血流が悪くなることで防御因子も弱くなります。

中でも近年特に注目されてきたのは、ピロリ菌の存在です。胃の中は強酸性なので、ふつうの細菌は生存できないのですが、このピロリ菌だけは酸から身を守る術をこころえています。

ピロリ菌の持続的な感染が、慢性胃炎に大きく関わっていることが知られるようになりました。

治療

慢性胃炎の治療

慢性胃炎は症状がいろいろなので、炎症の程度や訴えに応じた治療が必要です。まったく症状が無いような軽症例では、投薬なしで経過を見てもかまいません。

ただし、慢性胃炎の症状は、胃ガンの症状と変わらません。また、慢性胃炎そのものが高分化胃癌の発生母地と考えられています。

高分化胃癌は、早期に発見すれば、最近は内視鏡治療で治癒します。自己判断せずに、胃腸科や消化器科で診察を受け、年に一度は内視鏡検査をうけましょう。

よく使われる胃薬は三種類です。

  • 制酸剤=胃酸をおさえて攻撃因子を弱める
  • 胃粘膜保護剤=胃粘膜を保護し防御因子をふやす
  • 胃腸運動調節剤=胃腸の運動のバランスをとる

これらに加えて、胃の痛みを抑える鎮痙剤(胃のけいれんをおさえる薬)や止血剤、抗生剤を使うときもあります。消化不良をおもわせるときは、消化剤を併用します。

また、ピロリ菌の検査で陽性だった場合には、ピロリ菌の除菌を行います。除菌の方法は2007年現在、2種類が保険適応になっています。

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